ぜんそくジャーナル

 

111号ジャーナル

登校拒否症から人間拒否症の時代へ/文明国型問題の大人 日本型・人間形成障害


日本の高度成長は昭和30年頃にはじまりました。
人間形成医学の立場から言えば「経済成長と人間崩壊」というルールがありますので、高度成長が始まったということは、人間形成医学的には「日本列島を実験台にして、日本民族を実験動物に、経済の高度成長・文明化を実験手段として、どのようなパターンで人間形成障害がおこるのかという実験」をしたことになります。
昭和30年前後からあとに生まれた子供が、「高度成長による人間形成障害の実験」に使われた子供たちであったことになります。
 
■日本型高度成長
なぜ日本がこんな、「経済成長による人間崩壊」を実現させやすいような、経済政策をとったのか、政治家と官僚のほんとうの心の内は分かりませんが、世界の文明国の中で、日本だけが、「国民をこわしてしまってもいいから、とにかく金をもうけよう」という政治、経済政策を実行してしまいました。
例えば、0歳保育が国の力でおしすすめられました。母親は子供を産んでも、そんなものを育てるよりも、0歳保育所に預けて、安いパート料で国と企業を金持ちにしようという政策です。
単身赴任もすっかり日本に定着しました。家庭を崩壊させてもよいから単身赴任して企業や国を金持ちにしようという政策を行なったわけで、いやだなどと言おうものなら、白い目でみられ出世のさまたげにもなるほど日本に定着してしまいました。
そして、その一方、三種の神器、消費者は王様、パパ抜き、カー付きなどとマスコミも社会教育、家庭教育で、家庭崩壊、消費は美徳という人間形成崩壊をすすめる啓蒙活動をしました。
昭和30年頃以後に生まれた、高度成長一代目の子供たちは、この高度成長一代目の親に育てられ、ママゴト(将釆親になるまねを子供は3歳頃からはじめるものです)をする代りにグロテスクな怪獣が、殺すぞとなぐり合ったり、殺したりするテレビに目を輝かせ、テレビ、プラモデル、パソコンにとり付かれて育って来ました。
そのせいか、街のあちらこちらあるいは電車の中でマンガを堂々と読む青年や大人が増えてきました。
法律・経済・礼儀作法などの専門書もかたぐるしい活字の書物より、マンガ本の専門書(?)が売れる時代になり、大人になっても漫画を読むという日本文化がつくられてしまいました。
 
■文明国型問題児の花ざかり
そして高度成長から10~15年たった昭和45年頃から、登校拒否児が現れはじめました。
三つ子の魂、人間の基礎をつくる0~3~6歳の頃(建物でいえば土台をつくる頃)駄目な人間の基礎(土台)をつくられた子は10~15歳、大人の基礎を、充実し、声変り、月経か現れる頃、「このままでは大人になれない、助けて!!」と叫ぶ現象、建物でいえば、本建築の完成する頃、その重さに耐えかねて、土台(人間の基礎の脳)がこわれて、登校拒否など、文明国型問題児が現れるのです。
このようにして、昭和40~50年頃から文明国型問題児の花ざかりの時代に入ってきたのです。