アレルギー科・呼吸器科・心療内科
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アトピー性皮膚炎のアレルギー対策

 
 

アレルギーが見つかったら

 
アトピー性皮膚炎の患者さんの約80%には、何らかのアレルギーが認められます。代表的なアレルゲンは、ホコリ(ハウスダスト)、ダニ、卵白、牛乳、小麦などです。
血液検査でアレルギーが見つかったとしても、それだけではそのアレルゲンがアトピーの原因であると言い切ることはできません。
例えばスギ花粉症では、40歳代の成人では約40%までの人がアレルギーを持っていますが、実際に花粉症になる人は15%前後に過ぎません。約25%の人は「アレルギーがあっても症状は出ない」状態なのです。
気管支喘息では、牛乳、卵白、小麦のアレルギーを持つ患者さんにこれらのアレルゲンを投与した場合、症状が現われる確率は10%前後に過ぎないことがわかっています。
アトピー性皮膚炎の食物アレルギーでは、RASTで陽性だった時の負荷テスト陽性率(血液検査でアレルギーが認められ、その食品を食べて実際に症状が現われる率)は、卵白62%、牛乳37%、小麦28%、大豆5%程度です。
また小麦の負荷試験陽性率は、RASTスコア1の場合は0%、2で12%、3で9%、4で25%、5~6で56%に症状が現われ、その内訳は皮膚症状86%、呼吸器症状48%、消火器症状17%というデータが出ています。
アレルギーの種類によって症状の出やすさに差があることがわかりますし、RASTスコアが高い(=アレルギーが強い)ほど症状が出やすくなるのも確かですが、「アレルギーがあるから症状がでる」とは言い切れないのです。
 

除去試験と負荷試験

血液検査によって何らかのアレルギーが認められたら、次にはそのアレルギーが「本当に症状に結びついているのか」を確認しなければなりません。そのためには除去試験と負荷試験(誘発試験ともいいます)を行います。主に食物アレルギーに対して行われます。
 
①除去試験
除去試験は原因と思われるアレルゲンを「完全」に除去して症状が改善するか否かを観察します。たとえば卵アレルギーなら、卵そのものはもちろん、ビスケット、カステラなど、卵を含んでいる食品も全て中止しなければなりません。授乳中なら母親も中止します。
除去した結果症状が改善したら、ここで初めて卵によって症状が引き起こされていた「可能性がある」と考えます。

②負荷試験
負荷試験はこの逆で、疑わしいアレルゲンをわざと与えてみて、症状が悪化するかどうかをチェックします。
最も簡単な方法は、アレルゲンをごく少量から投与し、15~20分おきに倍々に増やして投与を続け、2~3時間で通常摂取量まで増量する方法です。オープンチャレンジといいます。
アトピーに限らず、食物アレルギーでは不安や暗示などが影響して症状に結びつくことがわかっています。またアトピーでは、不安やあせりなどで(アレルギーとは関係なく)症状が悪化することも知られています。
ですから負荷試験ではこの心理的な影響を排除する必要が出てくる時もあります。この場合にはオープンチャレンジは適当な方法ではありません。負荷する食物を患者さん側に知らせずに行うシングルブラインドチャレンジや、医師にも内容を伏せて行うダブルブラインド・プラセボコントロール・フードチャレンジ(DBPCFC)という方法を用います。
負荷試験は時にはショックを起こす可能性があります。必ず医師の指導のもとに行うようにして下さい。

③判定
除去試験で明らかに症状が改善し、負荷試験で明らかに悪化し、そして何回くりかえしても同じ結果になる(再現性ありといいます)という三つの条件がそろった時に初めて「アレルギーが症状に結びついている」と判断します。
 
 

アレルギーへの対策

アレルギーが症状に結びついていることがはっきりしたら対策を考えます。症状に合わせて以下のものを組み合わせて行います。
 
①抗アレルギー剤
定期的に薬を飲み続けることでアレルギー反応を抑えることをめざします。

②除去療法
原因となるアレルゲンを完全に除去して自然にアレルギー反応が起こらなくなる(自然寛解といいます)のを待つ方法です。ダニやホコリのような吸入性の抗原では実施は難しく、主に食物アレルギーで実施されます。卵や牛乳では完全除去により小学校高学年までに約半数の患者さんが自然寛解するといわれています。
加熱すれば摂取可能な場合は、「生」のものだけ除去し、過熱したものや加工品は与える「不完全除去」を行う場合もあります。

③減感作療法
減感作療法は除去療法のようにアレルゲンを避ける治療ではなく、積極的にアレルゲンへの耐性を高めることを目指す治療法です。
ダニやホコリなどの吸入性抗原に対しては注射による減感作療法が行われますが、アトピーの場合は気管支喘息や花粉症ほど一般的ではありません。
アトピー性皮膚炎で減感作療法を行う場合は、食物アレルギーに対しての「経口的減感作療法」を行うことが多くなります。
やや古いデータですが、久徳クリニックでは平成6~7年の2年間に16名のアトピーの患者さんに経口的減感作療法を行いました。数ヶ月の治療期間で14名(87.5%)までの患者さんが食物除去を中止して普通に食べられるようになっています。生活療法と併せて行えば比較的効果の出やすい治療法といえます。

④心理・身体的影響に配慮
心理的な影響だけでも(アレルゲンがなくても)アレルギーと同様の症状が起こりうるという「場違いなアレルギー」が「アトピー」の特徴の一つです。
反対に、心理・身体的に好ましい状態になれば「体がアレルギーを抑えてくれる」のもアトピーの特徴の一つです。ですから、心理・身体の両面をアレルギーを抑える状態に調節していく「生活療法」も、心身相関を利用したかなり効果的なアレルギー対策になります。
また、心理・身体的影響への配慮は、経口的減感作療法の効果を高めるためにも用いられます。

 

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