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喘息についてのきゅうとく医院の考え方 

 
 

久徳クリニックでは、喘息を治すための「総合根本療法」を行っています。ここでは総合根本療法について詳しくご説明します。

 

きゅうとく医院が考える喘息の原因

 
喘息の原因をきゅうとく医院では0~3歳ごろまでの「気管支のトレーニング不足」と考えています。 
 
妊娠中の赤ちゃんは羊水に浸かっていて一切空気には触れていません。乾燥や病原菌とかダニや花粉などのアレルゲンからも完全に遮断されています。ところが生まれたとたんに赤ちゃんは空気中での生活を強いられることになります。赤ちゃんの気管支と皮膚は生まれたその時から、乾燥に耐え、温度変化に耐え、病原菌やいろいろなアレルゲンにも耐えていくような「たくましさ」を備えなければならなくなります。気管支と皮膚は生まれ落ちた時から空気中で健全に機能するようになるための「トレーニング」が始まり、そのトレーニングによって「たくましい気管支、たくましい皮膚」になっていくのです。
 
この気管支と皮膚の「たくましさの充実」を司るホルモンが副腎皮質系のステロイドホルモンと交感神経系のアドレナリンです。この二つのホルモンは「闘争と逃走のホルモン」ともいわれ、戦う時とか逃げる時に「体を思い切り動かすことができる」状態に切り替えるホルモンです。具体的には、「血圧を上げ、気管支を拡げて空気を吸い込み、皮膚を強くしっとりさせ、免疫を安定させる」働きを持っています。つまり、「全身の活性を上げ、喘息を抑え、アトピーを抑え、アレルギーを抑えるホルモン」でもあるのです。
 
これら二つのホルモンの働きを高めるためのトレーニングが不足すると、早ければ2~3歳から6歳ごろにかけて、「気管支が空気を吸い込むことに耐えられなくなり、空気を吸い込むことを拒否し始める」ようになってきます。気管支は空気を吸い込まないようにと収縮して細くなり、痰を増やして空気の通り道を塞ごうとし始めます。そのため「ゼーゼーヒューヒューいって息が苦しく」なります。これが喘息の発作です。詳しくは「喘息制服の五原則」をご覧ください。
 
ここでは詳しく述べませんが大人の喘息もこの時期の生活状態が影響しています。また同じような仕組で皮膚の過敏性が高まり「空気中で普通に暮しているのに皮膚が勝手に乾燥して痒くなり炎症を起こし始める」のがアトピー性皮膚炎ということになります。

 

喘息の原因は「アレルギー」や「気道の慢性炎症」ではありません。

 
このように考えれば喘息は子供のころからの「心身両面での生活習慣」が原因になって、たくましさを司るホルモンであるステロイドやアドレナリンの働きが不安定になるために発症する病気ということになります。ステロイドやアドレナリンの働きが不安定になって気管支が過敏になり「空気を吸い込むことを拒否し始める」のが喘息の発作なのです。

 
古くから「小児喘息の原因はアレルギー」といわれ、最近では「喘息の原因は気道の慢性炎症」などというようになってきましたが、このように「気道の慢性炎症」や「アレルギー」が喘息の原因だと考えてしまうと、喘息の根治そのものが不可能になります。これらの気道炎症やアレルギーは、発作の原因ではあっても喘息そのものの原因ではないからです。                        

 

喘息は薬では治せない。

 
そして喘息は自然治癒もありうる病気であるにもかかわらず、薬で治すことができません。

現在喘息治療に用いられている薬は主に吸入用のステロイドとアドレナリン系の薬です。これらの薬を「体外から補充する」ことにより、前に述べたステロイドとアドレナリンの働きの不安定さは改善されますから、その結果として喘息の発作を抑えることはできます。これが「症状に対しての治療」という意味で「対症療法」といわれます。しかしこれらの薬には「体内のステロイドとアドレナリンの働きの不安定さそのものまでを改善させる力」はありません。ですから使用を中止すれば再び発作が現れてしまいます。

喘息は「自然治癒もありうるが薬で治すことができない」病気の代表格なのです。このような病気は喘息以外にも高血圧とか糖尿病などたくさんあります。そのため現在では、高血圧や糖尿病の治療に「ガイドライン」が作られているように、喘息でも「ガイドラインによる治療」が行われるようになっています。喘息治療のガイドラインでは「喘息は治すことができない病気なので、吸入ステロイドを使って一生コントロールしていくことを目指す」とされています。

しかし残念なことに吸入ステロイド治療にも限界がありました。最近の研究では(たとえば2014年の The ACQUIRE Study)、吸入ステロイドを医師の指示通りに使用していても、経過良好な患者さんは成人喘息では9.1%に過ぎず、経過やや不良73.6%、経過不良17.3%という状況であることがわかってきました。小児喘息でも「喘息の発病初期から吸入ステロイドを使用して、3年後に減量しても喘息は悪化しないが中止すると悪化する」ことなどがわかってきたため、「吸入ステロイドは目先しのぎに過ぎず、小児喘息を吸入ステロイドで抑え続ける治療は、小児喘息を成人喘息に持ち越させるリスクを高める」ことが一部の専門家の間で話題になるようになってきました。 
 
 

喘息を治すための「総合根本療法」

 
それでも喘息は「治らない病気」ではありません。過去の文献を調べてみると大人でも子供でも自然治癒している例は少なくありません。「自然治癒もありうる病気が治せないはずがない」と私たちは考えています。自然治癒した人たちについて調べてみると、ほとんどの人が「生活の変化」をきっかけにして治っています。ステロイドホルモンとアドレナリンは毎日の生活の中での「心と体からの影響」に敏感に反応するホルモンなのです。ですから喘息を治すためには「喘息の原因は毎日の生活の中にある」と考えて、「心と体とアレルギー」の全てに配慮した「総合的な生活療法」を行う必要があります。

 
この考え方に基づいて、昭和35年に久徳クリニック初代院長の久徳重盛(当時は名大小児科に勤務)により考え出された治療法が「気管支喘息の総合根本療法」です。総合根本療法は当初は小児喘息の治療法として実施され、驚異的な治療効果を発揮しました。昭和43年の京都市学校保健研究会の調査によれば、当時の7大都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、北九州)の小児喘息の有病率は、名古屋以外の6都市の平均が1.38だったのに対し名古屋は0.73%という数字でした。名古屋市内の小児喘息を名大小児科が次々と治してしまっていたのです。総合根本療法は大人の喘息の治療にも応用でき、現時点では「喘息を治す」ための治療法としては最も優れていると私たちは考えています。
 
総合根本療法は、目先の発作を薬で抑える「対症療法」と、喘息の原因を取り去り喘息そのものを治すための「生活療法」から成り立っています。対症療法が総合根本療法の20~30%、生活療法が70~80%を占めます。喘息を「治す」ために必要なものはお薬ではなく「心身両面から生活を調整すること」なのです。これが「生活療法」という言葉の由来でもあります。
 
 

総合根本療法の治療のゴール

 
きゅうとく医院では次のような状態になった時に「喘息が治った」と考えます。

 
  1. 数年以上にわたって発作が現れず、症状が出たとしても「咳喘息程度の軽い症状」にとどまり、
  2. 薬を使わないか、鎮咳剤か拡張剤の頓服で治まり、
  3. 年間を通して健常人と同じ生活が可能で、
  4. 肺機能は正常か、リモデリングがあっても、気道過敏性は消失もしくは咳喘息程度までに低下している。
  5. アフターケア後の見通しが、再発する可能性が皆無であるか極めて少ないと判断される。
 

指示に従って生活療法を実行していただければ、約80~90%の患者さんは、治療開始後1~3年で3に達し、5のアフターケアに進めます。そしてアフターケアに入った患者さんの44%までは、アセチルコリン負荷試験という検査で気道過敏性の消失が確認されています。これらの患者さんは医学的にも「完治した」といえることになります。

 
 

いつまでに治すのがよいのか

 
入学前の子どもさんの喘息はできれば3歳、遅くとも入学までには治し切ることをお勧めしています。この時期は「小児喘息が最も発症しやすい年齢」なのですが、「発症しやすい=変化しやすい=良くなりやすい」ともいえますから、総合根本療法を行えば、重症喘息でも「朝日に消える朝霧のように」治してしまうことも不可能ではありません(トップページ→ぜんそくジャーナル→142号Y君147号K君172号Nさんなどの手記もご覧ください)。そして入学までに治してしまえば、生涯にわたっての再発リスクが少なくなります。

 
小学校入学後の喘息は10歳から卒業までに、遅くとも中学卒業までには治してしまうことをお勧めしています。思春期前のこの時期も小児喘息を比較的治しやすい時期と言えるからです。
 
以上のような理由から、きゅうとく医院では、小児喘息の根治の目標年齢を6歳、10歳、15歳に設定しています。そして大人の喘息では治療開始後3~5年で治しきることを目標にしています。

 
 

治療方針についての具体的な考え方

 
現在日本では、年間約2千人の患者さんが喘息で亡くなっていますから、喘息を軽く考えるのはよくありません。それでも、すべての患者さんが重症というわけでもありませんから、実際の治療に際してはいくつかの選択肢が考えられます。
 
代表的なものとしてはとりあえず次の3つがあげられます。
 

  1. 調子が悪く苦しい時だけ治療する。軽症の場合に「悪い時だけ薬でおさえて」と考えるのは人情ですが、これはお勧めできません。軽い発作であっても、繰り返しているうちにリモデリングが進み難治化していくこともありますし、喘息では軽症の患者さんでも突然死することがあります。喘息は軽症でも死亡がありうる病気なのです。突然死を避けるためにも日ごろの定期的な治療は必要です。
  2. 生活療法は行わずに、対症療法だけで様子を見る。喘息を「治す」事は考えず、吸入ステロイドなどを続けて「喘息をコントロールする」、「喘息死を防ぐ」ことを目指します。対症療法として薬を使い続けることになりますが、喘息を治すことを考えなければこの治療法が最善といえます。ガイドラインでもこの方法が基本とされていますから、現在では多くの「喘息専門医」がこの治療法を推奨しています。きゅうとく医院でも、総合根本療法を行わない場合にはこの治療法をお奨めしています。
  3. 3~5年で「喘息を治しきる」ことを目指す。きゅうとく医院のお勧めプランです。総合根本療法であれば喘息を3~5年で治しきることも不可能ではありません。

 
ここでは3つの選択肢をあげましたが、自分自身の喘息をどのように治療していくのかということは患者さんご自身で決めていただかなくてはなりません。総合根本療法の具体的な進め方につきましては「喘息征服の五原則」をご覧ください。

 
 

人間形成障害

 
この人間形成障害型の社会では、親がまったく普通の子育てをしているつもりであっても、子供たちに様々な問題が「予測もできない状況で自動的に」現れてくるようになります。

 

 

ぜんそくは自分で治せる

 
気管支ぜんそくの臨床は、いままでの『わからない・治らない』という時代から『原因を分析し実行すれば治る』時代に入ったのです...」。

 

 

ぜんそく根治療法

 
通院できない患者さんであっても、自宅で総合根本療法を実行して喘息を治していくことができるだけの知識を執筆されています。

 

 
ここまで治せる

不登校 ひきこもり

 
不登校をご家庭で「治す」ことも「予防する」ことも十分に可能です。不登校の解決は決して難しいものではないのです。